大阪市国保運営協議会が答申
大阪市国民健康保険運営協議会が、2月16日の総会を踏まえて、答申をまとめました。公表されたのは3月10日ごろですが、日付は2月16日付となっています。
答申の文面には詳しくは書かれていませんが、「激変緩和措置」を2年間に限り実施するとのことです。
以下はその答申の全文です。
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平成18年2月16日
大阪市長 關 淳一 様
大阪市国民健康保険運営協議会
会 長 亀井 利明
平成18年度大阪市国民健康保険事業について
平成17年12月21日付け大健福第4785号及び平成18年2月15日付け大健福第5682号により諮問のありました事項について、次のとおり意見を付して答申します。
大阪市国民健康保険運営協議会答申
1 はじめに
国民健康保険は、国民皆保険の基盤をなす制度として、被用者保険の加入者等を除き、広く地域住民を対象とし、健康の保持・増進に重要な役割を果たしているが、その加入者には高齢者や低所得者が多く、財政基盤が極めて脆弱であるという構造的問題を抱えている。
また、近年の高齢化の進展や医療技術の進歩、経済の低成長への移行などにより、医療制度を取り巻く環境は大きく変化しており、国民健康保険のみならず、被用者保険を含め、医療保険制度の運営は、危機的状況に陥っている。
このため、国においては、医療保険制度を将来にわたり持続可能で安定的なものとするための議論が重ねられてきたが、平成17年12月1日に、「医療制度改革関連大綱」が示され、これを受けて平成18年2月10日に、「医療制度改革関連法案」が国会に提出されるなど、医療保険制度全般にわたる抜本的改革について、その動向が大いに注目されるところである。
このような中、大阪市国民健康保険事業の現状をみると、企業の倒産・リストラ等による被用者保険からの加入者の増加、保険料収納率の低下などにより、平成16年度決算においては約320億円もの多額の累積赤字を抱え、極めて厳しい事業運営状況となっており、その財政の健全化が喫緊の課題となっている。
一方、厳しい社会情勢により所得が伸び悩む中、被保険者の保険料負担感は年々増しており、今後も一定の配慮が必要であるが、市としても負担緩和を図るため、毎年一般会計から多額の繰入れを行っており、平成17年度予算では、その額は488億円にものぼっている状況にある。
当協議会としては、以上のような大阪市国民健康保険事業の現状を踏まえ、平成17年12月21日付大健福第4785号及び平成18年2月15日付大健福第5682号をもって大阪市長から諮問のあった事項について、次の通り意見を付して答申する。
2 答申
市長からの諮問のあった事項について、次のとおり答申する。
(1)所得割保険料の賦課方式について
所得割保険料の賦課方式については、現行の市民税方式を継続する場合、次のような問題があると考えられるため、平成18年度から旧ただし書き方式(いわゆる所得比例方式)とするのはやむを得ない。
① 高齢化や低所得者の加入等の影響により、市府民税課税世帯が年々減少し、所得割保険料を負担する世帯が減少しているため、特に中間所得者層の保険料が荷重となっている。
② 平成18年度から実施される、老年者非課税措置の段階的廃止等の税制改正により、特に高齢者の保険料負担が大幅に増加する。
③ 平成18年度以降、大阪市を除くすべての大阪府下市町村が所得比例方式を採用する見込みであるが、今後、国において検討されている国民健康保険の都道府県単位での再編・統合が行われる際には、府下市町村の賦課方式の統一が必要となる。
(2)賦課割合について
国民健康保険料の賦課割合については、従前より条例本則の応益割50%、応能割50%をそれぞれ54%、46%に読み替えて賦課してきたが、これについては、近年の社会情勢に対応し、中間所得者層の負担を緩和するために行ってきたものであり、18年度もこの賦課割合については維持することが妥当である。
一方、18年度より保険料賦課方式を市府民税方式から所得比例方式に変更することに伴い、これまで扶養控除などの適用を受けてきた多人数世帯の中には、保険料負担が増える世帯が生じる。
このため、17年度まで均等割38%、平等割16%としていた応益割保険料の賦課割合をそれぞれ27%ずつとし、多人数世帯の保険料負担の軽減を図ることが妥当である。
(3)所得比例方式の導入にかかる経過措置について
賦課割合を変更してもなお、大幅に保険料負担が増加する世帯については、円滑な導入が図られるよう、激変緩和のための経過措置として、保険料負担の軽減を図る必要がある。
なお、この経過措置にかかる財源については、所得割保険料の負担対象世帯全体で広く負担することが妥当である。
(4)仮算定の廃止
現行の4月に仮算定、7月に本算定という年2回の保険料の賦課決定については、わかりにくいとの意見が多かったことから、賦課方式を所得比例方式に変更することに伴い、4月の仮算定を廃止し、6月の本算定1回のみとすることが妥当である。
また、これに伴い納期についても、4月から翌年3月までの12期を、6月から翌年3月までの10期とすることが妥当である。
(5)介護分保険料について
上記(1)から(4)までの変更については、介護分保険料についても同趣旨と考えられることから、医療保険料と同様に変更することが妥当である。
(6)介護保険料の賦課限度額について
年々介護給付費が増嵩することに伴って、国が賦課限度額の基準を8万円から9万円に引き上げることに準じた措置であり妥当である。
(7)第1子、第2子にかかる出産育児金の支給額の引き上げについて
少子化対策の一環として、国が支給基準額を30万円から35万円に引き上げることによる措置であり妥当である。
3 付帯意見
(1)賦課方式等の変更に伴う低所得世帯の急激な負担増について配慮すること。
(2)賦課方式等の変更に当たっては、被保険者の理解が得られるようきめ細かな広報活動を実施し、周知の徹底を図ること。
(3)国においては、医療保険制度の改革について検討が進められているところであるが、国民健康保険が長期的に安定して運営できるよう、制度の抜本的改善の早期実施を引き続き国に強く要望すること。
(4)一般会計繰入金については、被保険者の保険料負担の緩和を図るため、一般会計への影響に配慮しつつ、引き続き努力すること。
(5)保険料は国民健康保険事業運営にとって貴重な財源であり、被保険者の負担の公平を図る観点から、なお一層の保険料収入の確保に努めること。
(6)国庫支出金における保険料収納率や地方単独事業による減額措置を撤廃されるよう、国に強く要望すること。
(7)賦課方式変更後の状況について、運営協議会に報告すること。
4 その他
その他、現行の市府民税による保険料賦課は、扶養控除などの各種所得控除が適用されるため、市民生活の実態に即した保険料賦課ができる点で優れているとし、賦課方式の変更を行わず、一般会計からの繰入金の増額によって、中間所得者層及び低所得者層の保険料負担の緩和を図るべきなどの一部反対意見があった。
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