2007年4月18日 (水)

芦原病院での背任事件を風化させません

大阪市をよくする会は、次の声明を発表しました。

(声明) 関市長らの不起訴処分に対する検察審査会への申し立てについて

2007年4月18日

大阪市をよくする会

 姫野浄さんと藤永のぶよさんが昨年5月1日、芦原病院問題で関市長、磯村前市長らを刑事告発しましたが、府警は書類送検したものの、12月28日に大阪地方検察庁が不起訴処分としました。「嫌疑不十分」とのことですが、地検の説明によると、①本件の事務は局長に委任されており、決済も局長によるもので、市長が直接関与した、あるいは認識の上指示したとは断定できない、②貸付は予算化されており、補助金の交付も手続き上の瑕疵はあったものの、関わった市職員は同和行政の中でよかれと判断し行ったものであるので責任を問えない、③特定の個人の私腹を肥やしたといえる金銭の流れはなかった、とされています。

 しかしながら、貸付については、1円の返済もなく回収の見込が全くないにもかかわらず長年にわたって継続されており、さらには、補助金の収受も購入機器の実態とはかけ離れていたことがすでに明らかになっています。

 形式的には局長決済で行なわれているものの、市長をはじめ市幹部が出席して毎年、部落解放同盟と協議を行い、同和行政の推進を市政の最重要課題と位置付けるよう求められ、市側もこれを了承し続けてきました。上記の貸付や補助金の交付も市長の了解なしには行なわれるはずはなく、当然認識し容認してきたと考えざるを得ません。

 4月13日に、姫野浄さんと藤永のぶよさんが、検察の不起訴処分を不当として、検察審査会に申立てを行なったことを、大阪市をよくする会は歓迎するとともに、検察審査会が起訴相当または不起訴相当の議決を下すことを強く期待するものです。

 検察審査会は、有権者から無作為に抽出された11人の市民によって構成され、検察が不起訴処分とした事件に関して、市民の視点から再審査を行う機関です。世論の高揚のもとでこの背任事件が検察審査会の場で議論されるならば、不起訴処分に大きな問題があることが必ずや明らかになると確信しています。

大阪市をよくする会は、5月8日の学習集会を新たな契機に、告発人とともに、芦原病院問題の幕引きや風化を許さず、関市長らの起訴相当の議決、背任事件での起訴と同和行政の終結を求め、全力をあげる所存です。

以上

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2006年10月20日 (金)

9月10月市会について

見解 9月10月大阪市会について

―市長提案が戦後初めて否決される情勢の変化に確信を持ち、同和問題の全容解明と真の市政改革の前進を求めます―

2006年10月20日

大阪市をよくする会常任幹事会

 10月13日、2006年9月10月大阪市会の閉会本会議が開催されました。最大の特徴は、旧芦原病院への「再生計画案への同意について」が全会一意で否決されたことです。市長提案の否決は、戦後初めてのことです。与党会派は「市長への不信任ではない」と言いつつも、市政の重要問題で市長提案を否決したことは、市長の責任や出処進退にも関わりうる重大な問題となることを指摘しなければなりません。

 今回の債権放棄案は、日本共産党市会議員団が指摘したように、次の点で大きな問題がありました。①補助金や貸付金を交付すること事体が不当であったこと、②市の調査では何ら全容が解明されておらず、百条委員会を設置すべきであること、③芦原病院への不当な支出に何ら反省なく、同和行政の終結が謳われてないこと、などです。芦原病院への再生計画案は、138億円を超える債権のほとんどすべてを放棄し、わずか2000万円ほどしか弁済を受けないというもので、金額については破産とほとんど変わらず、「不当な支出に対して毅然とした態度を」と望む市民の声からも程遠いものでした。

 

また、「地対財特法期限後の関連事業等の早急な見直しを求める決議」が自民、公明、民主の与党会派と無所属議員(1名)の賛成で可決されました。この決議には「見直しを早急に実行する」と述べるにとどまり、同和事業の完全終結には全く言及しないき極めて不十分な内容です。同時に共産党議員団から出されていた「『同和行政』の完全な終結を求める決議(案)」は、先の決議が採択されたことから「一事不再議」(同一会期中に議決した内容を再審議しないこと)扱いされ、葬り去られてしまいました。

さらに、私たちが全議員、全会派に公開質問状を出していた「百条委員会」の設置については、共産党と無所属議員(1人)の賛成、自民・公明・民主の反対で、三度否決されてしまいました。市長提案の旧芦原病院への「再生計画案への同意について」を否決し、極めて不十分ながら法失効後の同和関連事業の早急な見直しを求めながらも、全容解明を拒否し、関市長らによる幕引きに手を貸す与党会派の責任は、厳しく指弾されなければなりません。

10.3市民のつどいで、告発人とその代理人からの報告で明らかになったように、府警は立件を断念したわけではなく、その後も捜査が続けられています。来春にはいっせい地方選挙があり、その7ヵ月後の11月には大阪市長選挙がたたかわれます。私たちは引き続き、あらゆる場面で、事態の全容が解明されるよう求め、世論と運動を構築し、市政転換を実現するため全力を尽くす決意です。

 

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2006年7月 8日 (土)

市民団体の協議を制約する「ガイドライン」撤回を申入れ

7月7日、大阪市をよくする会と大阪市対策連絡会議の連名で、關市長宛に、市民団体との協議に人数制限や時間制限を持ち込む「ガイドライン」の撤回を申し入れました。

市民局市民部長が応対しましたが、「ガイドラインにそって対応する」以外の発言は聞くことができませんでした。以下はその申入れ文(前文)です。

市側も各局、各課と引き続き話し合いを持つことは否定できず、各団体等で粘り強く話し合いましょう。

大阪市長 關 淳一 殿

2006年7月7日

大阪市対策連絡会議 代表 井上 賢二

大阪市をよくする会 事務局長 福井 朗

「団体との協議等のもち方に関する指針」についての申入れ

【申入れ趣旨】

大阪市は7月3日に「団体との協議等のもち方に関する指針」(以下、ガイドライン)を発表しました。このガイドライン策定に先んじて、私たち大阪市対策連絡会議と大阪市をよくする会は、「解同」との交渉の抜本的な見直し、ガイドライン策定中を理由にした交渉拒否の是正、市民の意見の反映などを6月19日申入れたところです。

 報道では、關市長が今後は「解同」との会合には出席しないとされていますが、私たちが指摘した「解同」いいなり、行政の主体性の放棄などの根本問題が、これによって解決されたとは到底思えません。

 また、当該ガイドラインでは、「1回2時間以内」「30人以内」というように、多くの市民団体との従前の経過や確認、信頼関係を一方的に崩していることは看過できません。この問題を協議したとされる「大阪市地対財特法期限後の事業等の調査・監理委員会」は、同和対策法失効後も見直されることなく続けられてきた、不公正乱脈な同和行政を見直すことが目的であり、全ての市民団体との協議等を制限するガイドラインを策定するなどは、筋違いもはなはだしいといわざるを得ません。大阪市が部落解放同盟の暴力に屈服し、その要求を丸呑みしてきたことにみられる、行政としての主体性の放棄こそを反省するよう改めて求めるものです。このことを反省しないまま、ガイドラインを押し付けることは許されるものではありません。

 以上の趣旨を踏まえ、下記の通り厳重に申し入れます。

【申入れ事項】

1 ガイドラインを撤回すること。

2 部落解放同盟の要求を丸呑みしてきたことをまず反省し、不公正乱脈な同和行政の終結をまず宣言すること。

3 各市民団体との協議等のもち方については、従前の経過や合意、確認に基づいて行うようにすること。

以上

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2006年6月 6日 (火)

児童館・トモノスの条例廃止に関して

(見解)

児童館・トモノスの条例廃止に抗議するとともに、今後の市民的な監視で事業内容の存続を求めます。

2006年6月6日

大阪市をよくする会常任幹事会

 5月26日に民生保健委員会、同月31日に大阪市会本会議が開かれ、児童館・トモノスの条例が、自民、公明、民主の与党会派の賛成により廃止されました。在宅の乳幼児とその保護者を対象とした子育て支援事業の拡張が必要であることは当然ですが、そのことが児童館、トモノスの条例廃止の理由にはなりえません。昨年、トモノスについては63万5千人、児童館については25万5千人が利用し、存続を求める強い声を無視しての条例廃止に満身の怒りをもって抗議するものです。

 大阪市をよくする会は、大阪市対策連絡会議とともに市政刷新の運動の重要な柱と位置付け、返信用封筒型の請願署名つきビラを70万枚発行し市内全域に配布しました。この中でわずか2~3週間の間に2,000通の請願署名が寄せられ、一言欄には多くの市民のみなさんが存続を強く求める思いを書いていただきました。署名とともに全会派の民生保健委員にこの一言欄を渡すなど、私たちは多くのみなさんの生の声を議会へと届けました。それだけに、廃止に賛成した与党会派の政治姿勢は厳しく指弾されなければなりません。請願署名は短期間で11770筆を数えました。

 こうした運動の成果として、当初大阪市が全面的な廃止としていた事業内容なども、「従来どおり利用できます」と言わざるを得ない状況を作り出すことができました。まず、小中高生の利用を認めないとしていたことを撤回させました。また、議会の追求の中で、大阪市は「従来どおりのプログラムやメニューを実施する」「必要な職員(資格を持った児童厚生員)も配置する」との答弁をせざるを得ませんでした。6月1日現在では、5月末と同じ職員は位置がされています。これらは、敬老パスの存続とともに、市民の声が市政を動かすことができることを改めて証明したものと言えるでしょう。

 しかし条例が廃止されれば、事業の内容変更は議会のチェックなしで可能となり、その意味で事業存続の保障があるわけではありません。今の職員配置も当面6月末までとも言われています。

 今後とも、市民的な監視を続けつつ、利用者の声が反映され、現在の事業が継続されるよう強く求め、見解とします。

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2005年11月28日 (月)

大阪市長選挙の結果を受けて

2005年大阪市長選挙の結果をうけて

2005年11月28日

大阪市をよくする会

 1127日投票の大阪市長選挙で、大阪市をよくする会が擁立し、たたかいぬいてきた姫野浄候補は165874票を獲得しましたが、善戦及ばず、残念ながら当選に至ることはできませんでした。関氏は前回よりも10万票近く減らし278914票、辻氏は189193票でした。大阪市をよくする会が擁立した候補が当選者の得票の60%まで接近したのは、初めてのことです。

 姫野候補を支持していただいた市民のみなさんに厚く御礼申し上げます。また、姫野市長実現のために昼夜を分かたずご奮闘いただいた大阪市をよくする会の加盟団体、地域連絡会のみなさんに心から敬意と感謝を申し上げます。さまざまな形でご支援をいただいた各界各層のみなさまに重ねて御礼を申し上げる次第です。

 

 今回の市長選挙は、前市長が、ヤミ年金・退職金問題、同和・芦原病院に対する乱脈融資、破たんした3セク処理問題の責任を取って辞任しながら、「改革の民意を問う」として再出馬するという極めて異常な形でスタートしました。

 また、今回の選挙は、市民不在の市政に対する市民の大きな怒りと、長年にわたって続いてきた「助役世襲市長・自公民オール与党・市労連(連合系)」のトライアングルが維持できなくなる中でたたかわれました。さらに、大阪市をよくする会が一貫して主張してきた、ムダな大規模開発や不公正乱脈な同和行政がマスメディアに取り上げられたことも大きな変化でした。

 前市長は、公然と「オール与党」に支持を求め、自民・公明が推薦。また、朝令暮改のごとく一度発表した内容や主張を変えるなどの姿勢がたびたび批判を浴びました。民主党の元国会議員は、「解同」との強い関係をひた隠し、「しがらみがない」といいつつ、市労連(連合系)や民主党の応援を受けるなど矛盾した選挙戦を進めざるを得ませんでした。

こうした中で、「政策的にぶれない姫野さんはさすがだ」「市民に優しい政治家」「姫野さんしか今の大阪市を変えられる人はいない」との声が広がりました。急な選挙ということもありましたが、力不足により姫野市長実現には至りませんでした。しかしながら、選挙戦を通じての私たちの主張は、少なくない市民のみなさんからの共感を得ることができました。市長選挙に関わって、「市政の最優先課題は大規模開発の見直し」という世論調査結果や、同和・芦原病院への融資焦げ付き、人権文化センター会議室利用率の異常な低さなどが新聞報道されるなど、かつてないほど同和問題にも注目が集まりました。これらは、市政の改革に向けて重要な到達点であり、私たちと多くの市民のみなさんが求めている市政改革の方向と合致するものと言えます。

得票数を大幅に減らし、絶対有権者比でわずか13.5%にしか至らなかった関市長に「信を得た」と語る資格はありません。新聞報道でも「勝者なき出直し選 市民信任ほど遠く」と評されるほどです。今後とも私たちは、市長選挙を通じて明らかになった市政の問題点の解明を深め、2年後の市長選勝利をめざす所存です。市民のみなさんとともに市政改革の方向性を見据え、市民運動を強化し、敬老パスや新婚家賃補助制度などを守りぬくため運動を引き続き継続していくことを表明するものです。 

以上

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2005年11月12日 (土)

公示を迎えるにあたって

大阪市政転換のチャンスのとき

姫野浄さんとともに、この2週間、燃えに燃え勝利しましょう

   ――― 大阪市長選挙告示を迎えるにあたって

2005年11月12日  大阪市をよくする会

 いよいよ明日13日、大阪市長選挙の熱戦の火ぶたがきられます。

 10月30日の出馬表明以来、姫野浄さんの実績に裏打ちされた市政改革への情熱、大規模開発と同和利権に対する鋭く怒りを込めた告発、そして心こもる市民サービス向上の政策提起などが陣営内の急速な立ち上がりをつくりだしています。それらが結実したのが11月8日、中之島公会堂での「市長選挙勝利 市民大集合」の真剣でユーモアあふれるつどいでした。

青年会議所などが開催した「公開討論会」での姫野さんの主張は党派をこえた共感をよんでいます。また、ビラ配布やハンドマイク宣伝をつうじて、多数の市民から姫野さんのやさしく温かい人柄にもふれ、“今度は何がなんでも姫野さんにいれる”という激励の電話やメールが事務所に寄せられています。

いま、最適の市長予定候補を得て、長年つづいてきた市民不在、大企業優遇の政治を転換し、市民が主人公の大阪市政を生みだす絶好のチャンス到来です。

 第一に、前市長の再出馬に対しては、「選挙が終わってもその責任は消えない」という声が強まり、ある世論調査では6割の市民が再出馬にノーの声をあげています。

第二に、歴代市長を「オール与党」(自民、民主、公明)と連合系の市労連が支えてきたという体制が維持できなくなった中でたたかわれるものです。

第三に、市民いじめの施策をすすめる一方、ヤミ年金・退職金問題や大型開発推進などに対する市民の怒り、世論の強まりが背景にあり、市政のあり方、本当の「改革」が大きな争点になりつつあります。

 第四に、なによりも病んだ大阪市政を立て直し、市政の方向性を根本的に転換できるのは姫野浄さんしかいないとの期待の声が日増しに強まっています。姫野さんの市会議員35年の経験と議員団長として市政を動かしてきた実績は、破たん三セクや「解同」問題など困難な問題を解決できることを雄弁に物語っています。

告示直前になって、三番目の候補者が出馬表明しましたが、わずか2ヵ月前の総選挙で前市長、連合労組、「解同」から推薦されていた人物であり、政策的にも関「改革」を評価したうえ、違いを浮き出そうとしています。しかし、この間の論戦では財政再建の二つの病巣である大型開発と同和予算に大ナタを振るえない人物であることが明らかになっています。

選挙戦の様相はまさに2つの流れの対決です。これまで私たちが一貫して主張している「ムダな大規模開発と不公正・乱脈な同和行政にしがみつき市民サービスを切り捨てる」前市長を再選するのか、それとも「市民が主人公」の新しい市政をすすめるしがらみのない新市長を誕生させるのかのたたかいです。敬老パスや新婚家賃補助、ゴミ収集無料を守れなどの要求と、姫野さんがかかげる公約=4つの市政改革プランとをあわせて訴えきれば必ず市民の心をとらえることができます。

 大阪市をよくする会に結集するすべての団体構成員、地域連絡会のみなさん、勝利をわがものにするために、この2週間、一丸となって宣伝、対話・支持拡大に奮闘することを心から訴えます。

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2005年10月21日 (金)

関市長の辞任と「オール与党」への推薦依頼について

 大阪市の關淳一市長が辞表を大阪市議会に提出し、全会一致で承認されました。19日付の各紙報道によると、その直後に關氏が「オール与党」(自民、公明、民主)への推薦を要請した、とされています。相次ぎ破たんした第3セクター問題や、外郭団体、芦原病院への融資回収などについて、「責任を重く感じている」として辞任したにもかかわらず、再出馬を表明し、しかも、辞任に同意した与党会派に推薦を要請するとは、市民の目から見ればきわめて矛盾したものと言わざるを得ません。突然の市長辞職と再出馬に対して、市民からは「引責辞任するのになぜ再出馬か」「この時期に無責任だ」との声が当然のように出されています。

 この辞任・再出馬の背景には、5代42年にわたって続けられてきた、歴代、助役が市長になり、「オール与党」と連合系の労働組合(大阪市労働組合連合会・市労連)、「部落解放同盟」などがこれを支えるという市政が行き詰まったことがあります。

 また、同時に見ておかなければならないのは、三位一体の「構造改革」と軌を一にした自治体”民営化”ともいえる流れがあることです。財界がいち早く歓迎の意向を表明しているのは、いま市政改革本部が推進しようとしているマニフェスト(案)が、「市政改革」という仮面をかぶった財界奉仕市政の一層の推進に向けた”設計図”であることを見ておかなければなりません。

こうした情勢を踏まえて、大阪市をよくする会は、

①市民にとっての本当の改革は何か、

②それを担うことができるのは誰か

を広く市民の皆さんに訴えながら、今回の市長選挙が市政を変える大きなチャンスであるということを伝えながら、全力をあげてたたかうことを表明し、今回の市長選挙にあたっての見解とします。

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2005年10月16日 (日)

大阪市問題の見解

5月23日に開催したシンポジウムで発表した「見解」です。この見解の後にも、さまざまなことがありましたが、基本線においてはこの見解はなお効力を失っていないと考えています。

今こそ、市民生活の向上と結びつく大阪市改革を求めます。(見解)

大阪市をよくする会

阿倍野区役所のカラ残業問題の発覚に端を発した「大阪市問題」は全国からも注目されています。そうした中で、大阪市において、まさに異例というべき事態が進行しています。鳴り物入りで発足した都市経営諮問会議は、市当局者が従来の市運営に固執したことや本間正明大阪大学教授と大平助役の「確執」などから事実上解散したと伝えられています。また、「ヤミ年金・退職金」問題の特別調査委員長には、大阪市が「天敵」とまで呼んだ辻公雄弁護士が大平助役の依頼を受けて就任しました。これらのことは、現在、大阪市がすすめようとしている「改革」がすでに問題化し始めていることを示し、より根本的には、大阪市政そのものが行き詰っていることを如実に物語っているのではないでしょうか。

 大阪市は4月1日、「福利厚生問題の本質と今後の市政改革の方向性について」を発表しました。この報告を作成する委員会では、大平助役は「はじめから市民に参加してもらう時間はない」と、市民参加を拒否したことは看過できません。大阪市が「市民の目線」での改革といういのなら、市民参加を保障するのは当然です。また、市場化テストをはじめとするNPMや、市バスの民営化など大阪市の公的な責任を放棄するようなことをどさくさにまぎれて行うことは許されません。

 大阪市をよくする会は、市民生活の向上と結びつく改革の議論の方向性について、次の点を提起するものです。

1 大阪市福利厚生制度等改革委員会の発表した「問題の本質と改革の方向性」について

この「問題の本質と改革の方向性」に見られる項目は、「はじめにーこの報告書の位置付け」に始まり「1. 何が問題なのか  2. 原因はどこにあるのか  3. 真相究明はどこまでできているのか (中略) 6. 再発を防止する手法は何か  おわりにー今後の改革本部のあり方」という柱立てとなっています。この柱立てそのものは市民の関心に合致するものと言えます。まさに市民の目線でこれらの問題がわかりやすく、かつ的確に解明されることを市民は望んでいます。

(1)問題把握の誤りについて

 しかしながら、問題や原因のとらえ方は、事実と合致する部分はあるものの、一方で不十分であったり、本質に触れられていなかったりする部分が多々あります。これでは市政刷新に期待を寄せるすべての市民の理解と納得を得られるものにはならないことを危惧せざるを得ません。

「1. 何が問題なのか」では、「本質的問題」の根本ともいえる、大阪市の「経営インフラ」に「公金支出のルール・予算・決算システムのあり方」「情報公開のあり方」「監査・ガバナンスコンプライアンスのあり方」「労使関係のあり方」など、現在大阪市が抱える問題が示されています。

しかし、問題の本質ともいえる5代42年にわたった助役たらい回し市政を、共産党を除く「オール与党」が支えてきたことなどは全く触れられていません。また市労連(連合)と市当局の癒着が長きにわたって続き、市民の立場に立ち市政刷新を求める職員や、市労組連(全労連)には、不法不当な差別を行い、物言えぬ職場状況を市当局が作ってきたことへの反省もまったく見受けられません。

この2点こそが大阪市の抱える根本問題であり、改革をすすめる上での課題として明示すべきではないでしょうか。

(2)責任の所在について

いわゆる「厚遇問題」について、上記の報告書では「市役所は職員に対して負担(掛金)と公金支出(補助)と受益の関係を十分説明してこなかった。そのため、職員においても市民の視点からみて妥当な受益かどうかを自ら問い直す問題意識が生まれてこなかった。」(大阪市福利厚生制度等改革委員会)と市側の責任を認める原因分析を行っています。市の説明不足は議会に対しても当てはまり、議員にも情報が公開されていなかったことが考えられます。カラ残業について、市は3月30日に6331人に戒告、文書訓告、口頭注意などの処分を行いました。こうしたカラ残業が発生するしくみを温存してきた張本人らは「お咎めなし」では、再発防止につながるか疑問が残ります。

関市長は、徹底した改革を行うとの考えを表明し、着手し始めました。上記のような問題点はあるとはいえ、改革の中には部分的とはいえ、市民感情と合致したものもあることは否定しません。  

改革が本当の意味で成功するか否かは、根本問題に大胆にメスを入れられるかにかかっています。関市長の責務はまさにこの点にあり、自らの進退をかけて遂行しなければならない課題です。民間企業なら、株主訴訟が起こっても不思議でないという事態を関市長は認識しなければなりません。この責務が果たされないならば、関市長は市民にその責任の取り方を説明しなければならないでしょう。

(3)市役所内部の良識と市政刷新について

上記の委員会が述べているように、市の説明不足による「問題意識の不十分」さは、市労組連(全労連)に結集する労働組合もその例外とはなりませんでした。昇格昇給差別されている厳しい実態や「労働組合間の公平性の確保」に目が向き、市民の目線に立った是正措置に踏み出せなかった弱点があったことも見なければなりません。しかしながら、市労組連(全労連)傘下の市労組は、早い段階で「反省と決意」を発表しました。また、いわゆる「厚遇」問題についても、市労組連(全労連)としても、単組内部で市民の立場に立った議論を行い、削減案に関して道理ある部分については受入することも表明もしてきました。これらの点から、既得権に執着する市労連(連合)とは好対照を成しているといえるのではないでしょうか。私たちは、市役所内部の良識が大きなうねりとなり、民主的な市政刷新と結びついていくことを期待するものです。

2 市民参加で市民の生活向上と結びつく改革の方向性について

―― 徹底した情報公開と市民が主人公の政策優先に

 市民の大きな怒りが巻き起こっている背景には何があるのでしょうか。それは「市役所が市民の役に立つところになっていない」という感情であり、大阪市政が市民に冷たく、縁遠いものになっていることの反映です。

 現在の大阪市は、“それなりの危機意識”を持ち、一見華々しい「改革」を行おうとしていますが、多少の「改革ポーズ」では、市民が「大阪市に住んでよかった」「大阪市は市民のためによくがんばっている」と実感が持てることにはなりえないことは明確です。

 大都市・大阪市には、わが街を愛してやまぬ多くの市民の息吹が根付いています。歴史をひもとけば、大阪の街を創り、育ててきたのは町衆でした。水都と呼ばれた大阪の八百八橋も、高麗橋や天満橋など12の公儀橋をのぞいて、ほとんどすべてが「町橋」でした。

 私たちは、先の大阪市長選挙においても、文化と歴史が息づくまちをつくることを提唱し、大阪に根ざした文化を支援することの重要性を指摘しました。また、平和・友好の立場に立ってアジア諸国との多面的な国際交流を強めることも提案しました。これらのことは、日本国憲法第9条の存在意義にスポットが当てられている今日の情勢にも合致しているのではないでしょうか。

「なんとかしよやないか、大阪を」と望む市民の声は、小さな川が集まって大河となるように、大きく真の改革の方向に向かうことを期待しています。その上で、下記の通り改革の方向性を次のように提案します。

(1)市民の要求に応えられる区役所機能の強化と情報公開の徹底を

 公園、河川、生活道路とをはじめとする街づくりなどの住民要求に関しては、区役所は連絡程度の権限しかありません。情報公開条例の改正案の内容も「実効性、担保なし」(朝日新聞5月17日付)とその内容が疑問視されています。

    住民要求と質疑に責任が持てるよう、区民参加型で区役所機能を強化し、予算を大幅に増額すること。

    区役所で情報公開の手続きが行えるようにすること。

    情報公開条例の改正は、徹底した公開を行うことを大原則とすること。

    議会傍聴は、委員会においても直接傍聴できるようにすること。

    特に、第3セクターや外郭団体については、その原資資料も含め、すべてを公開すること。

(2)3セクターへのこれ以上の税金投入をやめ、福祉の向上へ向けること。

 大阪市は政令指定都市の中で、1000人当りの生活保護実人員数は最高となっています。また、保育所待機児童数も昨年4年ぶりにワースト1の「地位」を横浜に抜かれたとはいえ、つめこみによる「解消」であり、実質的にはワースト1とも言われています。一方で第3セクターの事業の直しは進まず、聖域扱いとなっていることは看過できません。

    これ以上の税金投入をやめ、第3セクターの事業などの「負の遺産」を計画的に清算すること。

    経営者、銀行、企業に必要な責任を求めること。

    不要不急の事業は中止すること。進行中の大規模開発事業は必要性、採算性、費用対効果などの観点から精査し、中止・規模縮小・事業変更を含めて抜本的に見直すこと。将来の計画等も同様の視点で抜本的に見直すこと。

    ムダ遣いをやめ、住民生活の向上へ予算を配分すること。

(3)なれあい、癒着体質と共産党を除く「オール与党」体制を改めること。

「朝日新聞」(5月1日付)は、議会で改革が進まないことに関して、「与党の若手市議は『40年以上続いた共産党を除くオール与党体制』を理由に挙げる。」と報じています。市労連(連合)と当局との癒着と「オール与党体制」は、市民を市政から遠ざける根本問題です。

    オール与党体制を継続してきた各政党は、こうした指摘に真摯に耳を傾け、この点での問題意識と改革方向を示すべきです。

(4)「解同」との癒着を断ち切ること

 「人権行政」の名の下で「乱脈不公正な同和行政」が温存されています。2003年度決算で133億3300万円、2004年度で500人を超す派遣職員が配置されています(青少年会館教育振興室に244人、芦原病院に医師10人、人権協会に市民局から146人、健康福祉局から50人など)。

    不公正乱脈な「人権行政」(同和行政)の全容を明らかにし、直ちに同和行政を打ち切ること。

    PTAや振興町会までまきこむ、時代錯誤の「人権行政」(同和行政)を中止し、「解同」との癒着を完全に断ち切ること。

(5)財界・大企業に奉仕する予算編成から市民のための予算編成に改めること。

 2005年度予算は「選択と集中」の名の下に、財界・大企業へ奉仕する内容となっています。4年連続の「緊縮予算」の内容は、市債残高(市の借金)が過去最高の5兆6139億円に及ぶものとなっています。また、最大の特徴は「再開発や三セク 巨額の税投入は続く」(日経新聞)ことです。阿倍野再開発事業の赤字2100億円、フェスティバルゲートの信託事業解除による負担380億円など枚挙に暇がありません。

    市自らが問題と指摘する「公金支出のルール・予算・決算のシステム」のあり方を、市民の立場に立って徹底的に見直し、市民のくらしと福祉、地域経済活性化を優先したものとすること。「厚遇」解消によって生まれた166億円はすべて市民のために費やすこと。

関市長は、市民の声に真摯に耳を傾けて、市民の参加を保証して改革を進める責務があります。以上の5点の方向で市政改革を進めるべきであることを指摘し、大阪市改革についての大阪市をよくする会の見解とします。市民のみなさんからのこの見解に対するご意見をお待ちしています。

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